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  1. 山口県議会 2022-09-01
    09月26日-02号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 4年 9月定例会   令和四年九月山口県議会定例会会議録 第二号      令和四年九月二十六日(月曜日)  ────────────────────        議事日程 第二号      令和四年九月二十六日(月曜日)午前十時開議  第一 代表質問  第二 議案第一号から第十九号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十九号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          高   井   智   子さん                          猶   野       克 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          岡       生   子 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          磯   部   登 志 恵さん                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         平 屋 隆 之 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       近 藤 和 彦 君                    総合企画部長      松 岡 正 憲 君                    産業戦略部長      前 田 安 典 君                    環境生活部長      藤 田 昭 弘 君                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      小 関 浩 幸 君                    商工労働部理事     三 浦 健 治 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      高 橋 博 史 君                    土木建築部長      和 田   卓 君                    会計管理局長      京牟礼 英 二 君                    財政課長        安 藤 公 浩 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        今 村 政 裕 君                    教育長         繁 吉 健 志 君                    副教育長        木 村 香 織 君                    公安委員長       弘 田   公 君                    警察本部長       中 西   章 君                    監査委員事務局長    本 多 昭 洋 君                    労働委員会事務局長   松 田 一 宏 君                    人事委員会事務局長   大 田 淳 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        國 吉 宏 和 君                    事務局次長       原 田 和 生 君                    総務課長        嶋 田 英一郎 君                    議事調査課長      岡 本 正 敏 君                    政務企画室長      國 弘 敏 和 君                    秘書室長        植 木 啓一郎 君                    議事調査課主幹     作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          河 村 美也子さん                    主任          賀 山 智 江さん                    主事          佐 伯 和 樹 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ─────────────    諸般の報告 ○議長(柳居俊学君) この際、諸般の報告をいたします。 報告事項は、お手元に配付のとおりでございます。   ───────────── △日程第一代表質問 △日程第二議案第一号から第十九号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑に入ります。 代表質問及び質問の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 林哲也君。    〔林哲也君登壇〕(拍手) ◆(林哲也君) 皆さん、おはようございます。自由民主党の林哲也でございます。 令和四年九月定例会に当たり、自由民主党会派を代表いたしまして、県政の諸課題について、知事、教育長及び県警本部長に質問をさせていただきます。 質問に先立ち、一言申し上げます。 憲政史上最長となる八年八か月にわたり内閣総理大臣をお務めになり、比類なき識見と行動力で我が国を牽引してこられた安倍晋三先生が、参議院選挙の応援演説中に凶弾に倒れ、非業の死を遂げられたという、筆舌に尽くし難い、つらく悲しい事件から二か月半がたちました。 今回の事件は、選挙活動のさなかに、非人道的な暴力で政治家の命を一方的に奪う、まさに民主主義への冒涜であり、この理不尽とも言える蛮行は断じて許されるものではありません。今もなお、激しい憤りと怒りを禁じ得ません。 そして、それにも増して、我が国の未来と山口県の発展のため、さらなる御活躍を期待し、共に歩んでいく思いであった私ども自民党県連といたしましては、まさに断腸の思いであり、深い悲しみとともに、かけがえのないリーダーを失った寂しさは痛恨の極みであります。ここに改めて、故安倍晋三先生に哀悼の誠を捧げ、安らかなる御冥福をお祈り申し上げます。 無念の思いは、我々だけではありません。県内各所に設けられた記帳所には、僅かな期間にもかかわらず、多くの県民が足を運ばれ、七月十二日に東京増上寺で営まれた葬儀には、大勢の国民の皆様が駆けつけ、沿道から別れを惜しまれました。 また、世界各国の首脳からも哀悼の意が寄せられるとともに、明日の国葬儀においても、二百を超える海外からの代表団が参列をされます。 安倍元総理が、地元のみならず多くの国民から敬愛をされた政治家であり、世界においても卓越したリーダーであったと改めて思い知らされ、万感が胸に迫ります。 国葬に引き続き、来月十五日には、県民葬儀が執り行われることとなりました。アベノミクスによる日本経済の再生、地球儀を俯瞰する外交や日米同盟の強化による我が国のプレゼンスの向上など、内政、外交両面にわたる数々の御功績を否定することなど、できようはずがありません。 幾多の困難を乗り越え、我が国の繁栄と山口県勢の発展のために計り知れないほど御尽力を賜ったことに対しまして、最大限の敬意と感謝の念を持って、また、志半ばで亡くなられた御無念を思い、礼節を持って哀悼の意を表すことは、政治的な立場を超えて、自然なことであります。 県民葬儀には、私ども自民党県連葬儀委員会の一員として参画いたすこととなりました。多くの皆さんの御参列の下、故安倍晋三先生の県民葬儀にふさわしい、厳粛かつ心のこもった式になりますよう、配意を尽くしてまいる所存であります。 我が自由民主党は、安倍晋三元総理の強い国づくりに対する確固たる信念と決意、そして頂戴した数々の御教示をしっかりと胸に刻み、今後とも、日本を守り、未来をつくるため、国政・県政が抱える課題解決に向けて、ひるむことなく全力を尽くしていく覚悟であります。 そのことを、県民の皆様と故安倍晋三先生にお誓い申し上げまして、通告に従い、代表質問に入ります。 初めに、やまぐち未来維新プランについてお尋ねをいたします。 知事は、六月定例会において、県づくりをより高いレベルへと押し上げるため、新たな総合計画を策定し、県政運営に全力で取り組むとの強い決意を示されました。 このたび示された新たなプランの素案では、人口減少新型コロナウイルスによる環境変化を見つめ直し、三つの維新のさらなる強化による本県の将来像が示され、コロナの危機の克服に向けた対策や重点的な施策など、多岐にわたり盛り込まれています。 コロナへの対応については、本日から、陽性者の全数届出の見直しが全国一律に行われ、オミクロン株に対応した新型コロナワクチンの接種も今月から開始されるなど、ウイズコロナの新たな段階への移行が進められています。 これらの実施に当たっては、県民の不安や医療現場の混乱を生じさせることのないよう、現場と緊密に連携をし、しっかりと対応をいただくようにお願いをいたします。 他方、本県を取り巻く環境に目を向けますと、人口減少少子高齢化の加速、デジタル化や脱炭素化などの大きな社会変革や、長期化する原油高・物価高騰への対策など、多くの課題が立ちはだかっています。 このような中でも、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現という目標に向かって、新たな県づくりを進めていくためには、取り組むべき課題を明確に定め、県民の皆さんとしっかりと共有し、今後どのようにして本県の未来を築いていくのかというビジョンを具体的に示していくことが重要であります。 そして、これまでの施策の成果も十分に検証した上で、具体性のある取組を打ち出し、本県がさらに豊かになっていく姿を、県民の皆さんが実感できる県づくりを描いていただきたいのであります。 そこでお尋ねいたします。本県の新たな未来の実現に向けて、どのような考えで、このたびの素案を策定されたのか、また今後どう取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、やまぐち産業炭素化戦略についてお尋ねをいたします。 我が自民党会派は、本県産業に大きな影響を与える脱炭素化を目下の最重要課題と考え、これまでも繰り返し、産業界の切実な思いを県政に届けてまいりました。知事はこれに応え、やまぐち産業炭素化戦略の骨子案を取りまとめられました。 その中では、カーボンニュートラルを原動力とした産業のさらなる成長・発展を目標として掲げ、分野横断的な施策展開が示されており、議会特別委員会の提言に沿った構成となっております。 また、戦略の核となるやまぐちコンビナート炭素化構想では、県内のコンビナートが出す二酸化炭素の排出量を、二〇三〇年度までに二〇一八年度比で三二%削減するとの具体的な目標値が示されており、今後は、この目標の達成と競争力の維持・強化の両立という、高いハードルを乗り越えるため、真に実効性のある戦略を構築していかなければなりません。 しかしながら、目標である二〇三〇年度は刻々と迫っており、企業の対応も極めて速いスピードで進んでいます。 先月末には、周南コンビナートを牽引する主要企業四社が、脱炭素化の先進地を目指し、発電燃料を石炭からアンモニアへと転換する共同事業計画を発表されました。 また、国においても、これまで数回にわたってGX実行会議を開催され、百五十兆円規模の官民投資の実現に向け、本年度中にロードマップを示す方向で議論が進められています。 このような国の動きを、県内企業が進める脱炭素化への移行に向けた投資に、しっかりと結びつけられる戦略を描いていかなければなりません。 同時に、刻一刻と変化する現場ニーズに耳を傾け、企業のスピードに遅れることのないよう、県として進める取組を迅速に打ち出していかなければならないと考えております。 そこでお尋ねをいたします。本県の産業競争力の強化に向けた、実効性ある脱炭素化戦略を展開するためには、どのような考えで骨子案を策定され、今後どう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、持続可能な農畜産業の推進についてお尋ねをいたします。 ロシアのウクライナ侵略などによる原油価格・物価高騰は、多くの事業者や生産者に影響を与え続けています。六月議会でも我が会派から申し上げましたように、県においては常時、状況把握に努め、きめ細かに対応していく必要があります。 今定例会においても、社会福祉施設などへの支援について補正予算案が計上されていますが、国の物価高騰追加対策や来月取りまとめられる総合経済対策とも呼応し、引き続き、事業者や生産者に寄り添った対策を講じられるようにお願いをいたします。 その中でも、畜産業については、配合飼料の価格が急速な円安傾向と相まって、かつてない上がり幅で高騰を続けております。 本年一月時点では、トン当たり約七万円程度であったものが現在は十万円と、四割も上昇しています。県内の畜産業の中には、年間二万トンの配合飼料を使う農家の方もおられ、実に六億円の負担増となっています。 県は、六月補正予算により負担軽減策を措置されたところでありますが、負担増は畜産農家の自助努力だけでは吸収することができない状況にあり、県や我々の元にも窮状を訴える声が届けられました。 こうした状況を受け、このたびの補正予算においては、畜産農家への県独自の支援策が盛り込まれました。迅速な対応を我が会派としても評価をいたしますが、経営状況はまさに持ったなしであり、補正予算成立後には、支援が一刻も早く行き渡るよう、速やかな執行が求められます。 また、国の追加対策では、高騰を続ける配合飼料の価格を、十月以降も現在と同程度に据え置くこととされておりますが、先ほどお示ししましたように、現在の価格がそもそも高く、ウクライナ侵略前の一月時点の価格を基準にした支援を求める声を多く伺っております。 こうした声を国に伝えていくことはもちろん、県としても、今回の緊急的な対策にとどまらず、耕畜連携による県産飼料の生産・利用拡大や転換促進など、飼料の安定供給に向けて中長期的な視点に立った、さらなる対策も講じていかなければなりません。 そこでお伺いをいたします。経営存続の危機に直面している畜産農家を守り、持続可能な畜産産業の推進に向け、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、国際交流の推進についてお尋ねをいたします。 八月二十七日、本県は米国ハワイ州と姉妹都市提携を締結いたしました。スペイン・ナバラ州以来、約二十年ぶりのことであり、本県にルーツを持っておられるデービッド・イゲ州知事を迎えての締結式は、希望に満ちたものでありました。 明治時代に多くの県民の移住が端緒となって始まったハワイ州との交流は、本県で最も古くから続く海外へのつながりであり、とりわけ、戦前から終戦期にかけてハワイから届けられた支援物資等が多くの県民を救った厚恩は、決して忘れてならない歴史でもあります。 終戦から七十七年が経過した今日、ハワイとの深い絆を知る県民は徐々に減少し、またハワイにおいても、県人会の高齢化などに見られるように、本県とのつながりの希薄さが危惧される状況となっております。 今を生きる我々は、先人が切り開いたハワイとの交流の輪を、次の時代にしっかりと引き継ぐ責務があります。このたびの姉妹都市提携は、まさにその第一歩であります。 締結式はあくまでもスタートであります。これまでの本県では、多くの海外の都市と姉妹都市提携を結んでおりましたが、五周年、十周年といった周年行事に焦点が当たっています。 こうした周年行事も大切でありますけども、姉妹都市とは、常日頃から経済、文化、教育など幅広い分野で交流を積み重ねていくことが本質であります。このことは、今後、自治体同士交流締結が期待される台湾についても同様であります。 県議会においては、台南市議会との間でオンラインによる友好交流協定をはじめとして、コロナ禍の中でも結びつきを深めてまいりましたが、自治体間においても、若者の交流やインバウンドの回復をはじめ、多くの分野での具体的な取組をさらに充実していかなければなりません。 そこでお尋ねをいたします。このたびのハワイ州との姉妹提携締結を契機に、今後、ハワイ州との交流をどのように発展していかれるのか。また、台湾をはじめとした様々な地域との交流の推進に今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、教育行政についてお尋ねをいたします。 県教委では、少子化が進む中でも、子供たちが変化の激しい社会で求められる力を身につけられるよう、高校再編を進め、一定の学校規模を確保するとともに、特色ある学校づくりを進めてこられました。 また、昨年度は、第三期目となる県立高校将来構想を策定され、本県の高校改革の方向性を示されたところであります。しかしながら、本県の少子化は今後も加速をし続け、現時点で約一万一千人となっている中学校卒業者数は、十数年後には、約八千人にまで減少する見込みであります。 加えて、下関市や岩国市など県境の地域を中心に、いわゆる難関大学や医学部への進学を目的とした、県外中学・高校への流出にも直面をしております。 県教委によりますと、昨年三月末には、中学校卒業時点で、過去五年間で最多となる三百八十四人が、小学校卒業時点でも百五十六人の子供たちが、県外の学校へ進学をしております。 将来構想の実現に向けては、こうした現状に正面から向き合い、勉学に高い志を持つ子供を含めて、全ての子供たちが、希望する道に向かって切磋琢磨をし、成長していける教育環境を一刻も早く整えていく必要があります。 また、一定の学校規模を確保するためには、さらなる高校再編も考えられますが、その際には、遠距離通学が必要となる生徒への配慮など、子供たちが安心して学びを継続できる方策をしっかりと講じることも求められています。 県教委には、本県教育の将来を見据え、待ったなしとの危機感を持って、思い切った発想で改革に取り組んでいただきたいのであります。 そこでお尋ねをいたします。少子化の進行や、進学を目的とした小中学校卒業段階での県外流出の増加など、本県教育を取り巻く環境を踏まえ、県立高校において、将来を見据えた改革をどのように進めていかれるのか、教育長の御所見をお伺いをいたします。 最後に、今後の要人警護の在り方についてお尋ねいたします。 安倍元総理への銃撃は、残念ながら、国民の安心・安全に対する信頼、さらには、日本が安全な国であるという諸外国からの信頼も損ねる結果となってしまったと言わざるを得ず、いま一度、警護の在り方が厳しく問い直される必要があります。 先般発表された、警察庁による事件の調査検討結果では、警護計画自身に問題があったことを認め、警護要則の抜本的な見直しや体制強化に取り組むとしています。 まずは、警察全体において、このような非道な事件は二度と起こさせないという断固とした覚悟の下、警護の在り方も一から見直していく必要があります。 とりわけ、安全に選挙活動が行われることは民主主義の根幹であり、警察と政党関係者がしっかりと連携を取り、安全の確保に努めていくことが、国民の安心・安全への信頼回復への第一歩であります。 また、本県においても、予断を排した検証を早急に進めなければなりません。現役閣僚や閣僚経験者が多く、おのずと要人警護の機会が多くなる本県では、他県にも増して緊張感を持った対応が求められます。 県警本部長におかれましては、先頭に立って警護態勢の見直し、再構築に取り組んでいただきたいと思います。 そして、来月十五日の安倍晋三元総理の県民葬においては、多くの県民の皆さんに加え、国会議員や海外の方にも参列いただくこととなっております。県警においては、万全の警護を期するよう、重ねてお願いする次第であります。 そこでお尋ねいたします。警護要則の抜本的な見直しを踏まえ、本県として、今後の要人警護にどのように取り組まれるのか、県警本部長の御所見をお伺いをいたしまして、代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 林議員の代表質問にお答えします。 まず、やまぐち未来維新プランについてのお尋ねです。 現行のやまぐち維新プランに基づく取組は、企業誘致による新たな雇用の創出や移住者数の増加など、多くの目に見える成果を上げている一方で、コロナの影響により、観光客数や大都市圏への県産農林水産物の売り込みなど、一部の取組に遅れが生じています。 コロナの第七波はピークを越えましたが、いまだ収束は見通せておらず、まずは何よりもコロナの危機から県民の皆様の命と健康を守り抜き、大きく傷んだ社会経済を再生させ、山口県の元気を取り戻していかなければなりません。 そして同時に、デジタル化や脱炭素化をはじめとする社会変革、頻発化・激甚化している自然災害、最重要課題である人口減少など、コロナ禍で生まれた新たな課題や、深刻度が増した課題にもしっかりと取り組んでいく必要があります。 このため、私は、県民の皆様の命と健康を守り抜き、コロナで傷んだ社会経済や人々のつながりを再生し、様々な社会変革の先にある、新たな未来を見据えて県づくりを進めるとの考えの下、県民の皆様と課題を共有し、「元気創出!どこでもトーク」等を通じて幅広く御意見を伺い、このたび、やまぐち未来維新プランの素案を取りまとめました。 まずは、直面するコロナの危機の克服に向けて、感染防止対策の強化と社会経済の再生に、引き続き、万全を尽くしてまいります。 また、新たな課題等の解決に向けては、安心・安全、デジタル、グリーン、ヒューマン、この四つの視点を踏まえて、本県の強みを生かし、潜在力を引き出して大きく伸ばしていくための二十の維新プロジェクトと七十二の重点施策を新たに設定しています。 今後は、これらを強力に進めることで、県民誰もが、山口ならではの豊かさと幸福を感じながら、未来に希望を持って暮らせる安心で希望と活力に満ちた山口県の実現を目指してまいります。 具体的には、まず、産業維新においては、社会変革の動きを本県産業の今後の成長につなげていけるよう、新たな価値を創造するDXの取組を一層加速させるとともに、コンビナート企業の脱炭素化に向けた取組を促進するなど、カーボンニュートラルの実現に果敢に挑戦していきます。 大交流維新においては、コロナ禍で大きな制約を受けた交流や人と人とのつながりを、これまで以上に促進し、地域を活性化していけるよう、ニーズの変化を捉えた本県ならではのツーリズムを展開するとともに、山口きらら博記念公園を拠点に、様々な分野の活動や交流を通じて新たな活力を創出し、本県の豊かさを広く発信していきます。 生活維新においては、本県医療の中核を担う県立総合医療センターの建て替え等を通じて、安心・安全を高いレベルで実現するとともに、将来を担う人材育成の取組を強化することなどにより、本県の新たな未来に向けた基盤を築いていきます。 私は、本県の新たな未来の姿と、その実現に向けた道筋を、県議会をはじめ、県民の皆様や市町、関係団体、企業、大学などと共有し、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、やまぐち産業炭素化戦略についてのお尋ねにお答えします。 地球温暖化の進行が世界共通の課題となる中、産業部門・工業プロセス部門の温室効果ガス排出割合が全体の約七割を占め、全国の二倍と高い本県にとって、産業分野での脱炭素化の取組は極めて重要です。 中でも、高度に最適化された製造工程でつながるコンビナートは、本県排出量の大宗を占め、その削減には、各社が一体となった取組が必要であることから、昨年度来、関係企業等との協議を重ね、本県コンビナートの将来像や目標を示す、低炭素化構想の最終案を取りまとめたところです。 一方、環境等に配慮したESG投資やサプライチェーン全体に脱炭素化を求めるグローバルな動向は、コンビナート企業はもとより、県内企業の大多数を占める中小企業にとっても不可避の課題であり、その対応いかんによっては、本県の経済や雇用に極めて深刻な影響をもたらすことが懸念されます。 私は、本県がこの困難な状況を乗り越え、産業競争力を維持し、さらなる発展を遂げるためには、こうした危機感や取組の方向性を、産業界をはじめ広く県民の皆様と共有し、企業の取組を全力で後押しをしていくことが必要と考えています。 こうした考え方の下、産業脱炭素化戦略の策定を進めており、このたび取りまとめた骨子案では、脱炭素化という困難な課題への挑戦を成長のエネルギーに変えていく、その決意を、カーボンニュートラルを原動力とした本県産業の成長・発展として、基本目標に掲げることとしました。 また、二〇五〇年に向けた長期の時間軸の中で、早急かつ優先的に取り組むべき施策を、カーボンニュートラルコンビナートの実現や脱炭素社会においても選ばれ続ける企業への成長の促進など、五つの先行プロジェクトとして体系化するフレームをお示ししたところです。 この骨子案に沿った施策の検討に当たっては、山口県環境政策推進本部の下、副知事をトップとし、関係部局長で構成する専門部会において、部局間や関係者との連携・協働による新たな取組の創出に向け、集中的な議論を進めています。 こうした庁内での検討はもとより、企業や関係団体等の声にしっかりと耳を傾け、目指すべき将来像を共有しながら効果的な施策を立案し、ロードマップの作成等により、可能な限り具体化を図り、本年十一月中を目途に、素案として取りまとめ、実効性ある戦略策定につなげることとしています。 また、脱炭素化に向けては、お示しの周南地域における燃料転換の取組など、国レベルでの支援が不可欠であることから、時々の企業ニーズに応じた要望を行い、国の政策を最大限に引き出しながら、脱炭素化に向けた取組を強力に進めてまいります。 私は、今後とも、県議会をはじめ、県内企業、大学、市町等との緊密な連携の下、スピード感を持って本県ならではの産業戦略を構築し、本県産業競争力の強化に全力で取り組んでまいります。 次に、持続可能な農畜産業の推進についてのお尋ねにお答えします。 原油価格や物価が高騰し、農林水産業にも大きな影響を与え続けている中、特に畜産業においては、生産コストに占める飼料費の割合が高く、そのほとんどを海外に依存していることから、大変厳しい経営環境となっています。 こうした状況を受け、私は畜産農家が安心して経営を行えるよう、六月補正予算において、国の配合飼料価格安定制度における生産者積立金や家畜共済掛金への支援を行ったところです。 また、飼料価格高騰の長期化により、現行の制度では生産者の負担が十分に軽減できていないことから、制度の見直しや必要な基金の確保について、知事会等を通じて国に要望してまいりました。 こうした中、さらに七月以降も配合飼料の価格が上昇を続け、畜産農家の努力だけでは生産コストの増加を吸収できない状況になっています。 私自身、畜産農家の方々から、現時点でも資金繰りが苦しい上に、こうした状況が続けば、経営の維持が困難となるなどの切実な声をお聞きをしており、深刻な事態と受け止めています。 このため、私は、畜産農家の皆さんに対する当面の経営継続に向けた短期的な緊急支援に加え、今後も安定した経営が行われるよう、中長期的な視点から国際情勢等による影響を受けにくい県産飼料へのさらなる転換を進めることといたしました。 まず、短期的な緊急支援については、このたびの補正予算において、本県独自の支援策として、畜産農家の負担を軽減できるよう、配合飼料購入費の一部を助成することとしています。 加えて、お示しのとおり、一日でも早く支援が行き渡ることが重要であることから、助成金の迅速な給付に向け、関係団体等と緊密に連携しながら、対応してまいります。 また、輸入飼料が高騰する中、今後、県産飼料の需要の増加が見込まれることから、中長期的な対策となる県産への転換に向けて、飼料用米の生産を拡大するとともに、新たに飼料用トウモロコシの県全域での生産に取り組みます。 あわせて、生産者や関係団体で組織する畜産クラスター協議会を通じた耕種農家と畜産農家のマッチングにより、県産飼料の利用促進を図ることで、一貫した供給体制を整備します。 さらに、本県畜産業の持続的な発展に向けて、今議会でお示ししているやまぐち未来維新プランの素案において、強い農林水産業育成プロジェクトに、農業と畜産業の連携強化を位置づけており、こうした取組を積極的に展開することとしています。 加えて、国に対して、畜産農家の負担が飼料高騰前の水準を維持できる制度への見直しや、県産飼料の生産拡大に向けた取組に対する十分な財政措置を講じるよう、引き続き要望してまいります。 私は、国や市町、関係団体と連携し、輸入飼料から県産への転換に向けた耕畜連携を進めるなど、持続可能な農畜産業の推進に全力で取り組んでまいります。 次に、国際交流の推進についてのお尋ねにお答えします。 経済・社会のグローバル化が進展し、国際社会における連携の重要性が高まる中、私は、広く世界に目を向け、各国や地域との交流を進めていくことが、活力ある県づくりを推進する上で、大変重要と考えています。 このため、これまで中国山東省や韓国慶尚南道をはじめとした友好・姉妹提携先等との長年にわたる幅広い分野での交流を進めるとともに、本県の国際化を推進する上での大切なパートナーである在外山口県人会との関係強化を図ってまいりました。 こうした中、本県とハワイ州との交流については、これまで現地の記念行事への参加や県人会の皆様の本県への訪問など、活発な活動を積み重ねてきたところであり、私は、こうした取組により築かれた友好の絆を、次世代にしっかりと継承していく必要性を強く実感したところです。 こうしたことから、ハワイ友好促進県議会議員連盟の皆様方のお力添えを頂きながら、ハワイ州政府との協議を進め、去る八月二十七日、デービッド・イゲ州知事をはじめとするハワイ州訪問団を本県にお迎えし、周防大島町において、姉妹提携の調印を行ったところです。 私としては、今後、できるだけ早くハワイ州を訪問し、州知事との意見交換や県人会の皆様との交流を行う考えであり、州政府とのさらなる連携も図りながら、経済、教育、文化など、幅広い分野での交流を促進し、相互の信頼と理解を深め、友好関係をより一層発展させてまいります。 また、台湾との交流については、これまで観光客の誘致や県産品の販路拡大など、人や物の交流拡大に向けた取組を積極的に進めてまいりました。 とりわけ、お示しの台南市については、昨年、県議会と台南市議会との間で友好交流に関する覚書が締結されるとともに、本年七月、本県の伝統工芸品を展示した、総爺和風文化祭が開催されるなど、両地域の交流の機運が一段と高まっているところです。 私は、こうして培ってきた両地域の結びつきをさらに深めていくため、今後、台南市を訪問し、観光・物産等の分野における交流に関する覚書を交わしたいと考えており、県議会のお力添えも頂きながら、相互の交流・協力関係の一層の発展に努めてまいります。 さらに、これまで交流を積み重ねてきた中国山東省や韓国慶尚南道、ベトナム・ビンズン省などの地域については、引き続き、経済、環境、教育など、様々な分野における交流に積極的に取り組むとともに、高齢者福祉や脱炭素の取組など、新たなテーマによる交流も進めていくこととしています。 私は、今後とも、ハワイ州をはじめ、様々な国や地域との友好関係の一層の発展に向けた幅広い交流施策を進めるなど、本県に活力をもたらす海外との交流の推進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 繁吉教育長。    〔教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎教育長(繁吉健志君) 教育行政についてのお尋ねにお答えします。 少子化の進行やグローバル化の進展、急激な技術革新など、社会が大きく変化する中、多様な人々と協働しながら、主体的に自らの将来や社会を力強く切り開いていく子供たちを育成するためには、高校教育の一層の充実を図ることが重要であると考えています。 このため、県教委では、本年三月に、今後の高校改革の基本的な考え方や施策展開の方向性を示す、第三期県立高校将来構想を策定したところであり、本構想で示した方向性に沿って、特色ある学校づくりと学校・学科の再編整備を着実に推進するため、現在五年単位の実施計画の策定に取り組んでいるところです。 具体的には、特色ある学校づくりの一つとして、探究科を拡充し、教科等横断的な学習や発展的な学びを通して、思考力・判断力・表現力等や学びに向かう力など、新しい時代に必要となる資質・能力を育成することにより、高い志を持って大学等への進学を目指す生徒の進路実現につなげてまいります。 また、お示しのように、本県では、県境の地域を中心に、多くの児童生徒が勉学等を目的として県外の中学校や高校に進学している状況もあることから、より高いレベルでの学力向上を目指す児童生徒や保護者のニーズに対応するため、岩国・下関地域への新たな中高一貫教育校の設置について検討してまいります。 さらに、少子化に伴う学校の小規模化の進行が今後も見込まれることから、十五年先を見据えながら、選択幅の広い教育の推進や生徒が他者と協働しながら切磋琢磨する環境づくりなど、高校教育の質の確保・向上を図るため、望ましい学校規模の確保に努めてまいります。 また、大学等への進学に重点を置く取組や、高度な専門性を持った産業人材を育成する取組などを推進するための拠点的な役割を持つ学校を、県内にバランスよく配置できるよう、学校・学科の再編整備に取り組むこととしています。 一方で、再編整備に伴い、過疎地域等から遠距離通学をすることとなる生徒に対応する必要があることから、公共交通事業者に対し、利便性の向上が図られるよう働きかけを行うとともに、経済的負担の軽減についても検討してまいります。 県教委といたしましては、新しい時代に対応した学校づくりを、今、積極的に進めなければ、これからの社会を担う人材の育成は困難になるとの強い危機感を持ち、第三期県立高校将来構想の方向性に沿って、将来を見据えた高校改革を全力で推進してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 中西警察本部長。    〔警察本部長 中西章君登壇〕 ◎警察本部長(中西章君) 要人警護の在り方についてお答えいたします。 本年七月八日、奈良市内において安倍晋三元内閣総理大臣が選挙運動の街頭演説中、銃撃を受け、殺害される事件が発生しました。 県警察では、この事件により生じた重大な結果を極めて重く受け止め、警護要則が抜本的に見直された背景を深く心に刻み、要人警護を実施しているところであり、その主な取組についてお答えいたします。 第一は、警護態勢の強化です。 県警察では、警察本部に統括指揮を行う警護本部を設置し、警護現場に現場指揮官を指名し、指揮体制を強化しているほか、必要な警護員や制服警察官等を配置しています。 また、警護員一人一人の現場対処能力を強化するため、要人への攻撃等を想定した実践的訓練を反復実施しております。 今後、警察庁が主催する研修への派遣を拡充するなど、人的基盤のさらなる強化を図るとともに、治安情勢の分析や現場の実地踏査等を踏まえ、的確な脅威評価に基づいた警護態勢を構築してまいります。 第二は、周到綿密な警護計画の策定です。 要人警護では、身辺の安全を確保するため、政党や施設管理者等の関係者と緊密に連携しながら、周到かつ綿密な計画を作成して実施しております。 そして、警護終了後には、必ず実施状況を検証して、その後の警護措置に反映するなど、警護計画の不断の見直しを行い、その安全性や実効性を一層高めてまいります。 第三は、装備資機材の活用と計画的な拡充です。 近年、インターネットを通じて、誰もが銃器や爆発物の製造に関する情報を容易に入手できる状況を鑑み、要人の安全確保や警護員の受傷事故防止など、警護に係る環境の整備が必要不可欠であります。 今後、警護の現場において、安全確保に必要な透明な防弾つい立て等の資機材を充実していくとともに、最新の技術を用いた警護の高度化に資するドローン等の資機材の拡充を計画的に進めてまいります。 県警察といたしましては、引き続き、警察庁や要人の関係者等と緊密に連携するとともに、的確な情勢の分析・評価を警護措置に反映させ、要人の安全確保に万全を期してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 上岡康彦君。    〔上岡康彦君登壇〕(拍手) ◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。公明党山口県議団を代表して質問をさせていただきます。質問に入ります前に、一言申し上げます。 昨日、我が党は、第十四回公明党全国大会を開催し、山口那津男代表、石井啓一幹事長の続投と、新しい役員人事を承認した上で、今後二年間の活動方針について確認を行ったところであります。 また本年は、大衆とともにとの立党精神が示されてから六十周年の節目を迎えました。改めて公明党議員の不変の原点を再確認する党大会にもなりました。 立党精神の淵源は、一九六二年九月十三日、公明党の前進である公明政治連盟の第一回全国大会で示されました。 当時の日本は、高度成長期にありました。農村部から都市部へと若い労働者が増え続けるものの、市街地の整備はまだまだ未整備で、住宅は足りないし、子育てや教育環境の整備などの大衆福祉は切り捨てられたり、後回しにされておりました。 多くの庶民が、苦難に直面していながら、真正面からそうした課題に向き合い、解決に向けて取り組もうとする政治的な存在は当時にはありませんでした。 庶民の声を代弁する政党、政治家はいないのか。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との公明党の立党精神には、こうした庶民の切実な願いや期待、光が当たらない人々の声なき声を拾い上げ、政治に反映させなければならないとの思いが込められています。 六十年たった現在では、新型コロナウイルスとの闘いが続いており、いまだ収束の兆しは見えません。 ロシアのウクライナ侵攻による食料やエネルギー資源の価格高騰は、円安も絡んで本県経済にも深刻な影響を及ぼしています。 しかし、時代が変わって、社会的な課題は変わっても、大衆とともにとの立党精神は、常に大衆の側に立ち、生活現場の小さな声を聞き取り、ネットワーク力を発揮して政策を実現していくことに変わりありません。 改めて公明党らしく、衆望に応える県政の実現を目指し、全力を尽くすことをお誓いし、通告に従い質問を進めさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねいたします。 全国で過去最大の感染者数を更新したオミクロン株による第七波は、一定程度収まりを見せたところではありますが、高齢者施設等でのクラスターは断続的に発生しているとともに、今後、第八波の到来など、さらなる感染の拡大、また、インフルエンザとの同時流行が懸念されるなど予断を許さない状況であります。 こうした中で、三年以上の長きにわたり、新型コロナウイルスと闘い、日々県民の健康と命を守るために御尽力いただいている医療機関をはじめ、保健所職員や応援職員等、県職員の皆さんも含め、関係者に敬意を申し上げるとともに、引き続きの御尽力をお願いいたします。 コロナの収束はいまだに見えないところではありますが、今回を上回る感染拡大が生じても、社会経済活動を維持するための対応策として、国が打ち出したウイズコロナに向けた新たな段階への移行の方針に係る二点についてお伺いいたします。 一点目は、新型コロナ患者の発生届の見直しについてであります。 オミクロン株については、若者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院することはなく、一方で、高齢者の重症化リスクは引き続き高いという特性があります。 こうした特性を踏まえ、国は、患者の発生届の対象を高齢者等に限定する、いわゆる発生届の見直しを実施する方針を先日示しました。 この方針は、現在の感染状況を踏まえると、適切な方向性が示されたものと考えますが、本県においても国の方針と同様、まさに本日を開始時期として発生届を見直しする内容が、先日、知事の定例会見で発表されたところであります。 この見直しにより、医療機関から保健所への発生届は、高齢者等に重点化されますが、一方で療養者の九割を占め、自宅で療養をされている若者等の軽症者に対しても症状悪化の懸念があることから、丁寧で分かりやすい情報発信と、支援が必要な方をサポートする体制を引き続き確保することが必要となります。 そこでお尋ねします。発生届の見直しに伴い、対象外となる方が安心して療養できるよう、県では、今後どう支援に取り組まれるのか、お伺いいたします。 二点目は、新型コロナワクチンについてです。 これまで、重症化予防の観点から、全国的にワクチン接種が進められており、本県においても六十歳以上高齢者や医療従事者等を対象とした四回目接種が進められておりますが、現在、本県は全国トップクラスのスピードで接種が行われており、御尽力いただいている医療機関や県の職員の方々に深く感謝を申し上げます。 こうした中で、国は、現在流行しているオミクロン株に対し、従来のワクチンを上回る効果が期待されているオミクロン株対応ワクチンの接種を進める方針を示しました。 このワクチンについては、まずは高齢者等を対象とした四回目ワクチン未接種の方が対象とされていますが、今後、全国民に接種を拡大することとされており、本県においても、誰が、いつワクチンを接種できるのか、接種間隔を含めて周知し、混乱なく接種が進むよう関係機関等と緊密に連携し、準備を進めていくことが重要であります。 そこでお尋ねいたします。県では、オミクロン株対応ワクチンの接種促進に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、原油価格・物価高騰に伴う中小企業対策についてお尋ねいたします。 円安の進行に加え、原油をはじめとするエネルギー価格や半導体、農林水産物等の様々な原材料、資材価格の高騰は、社会経済活動に幅広く多大な影響を及ぼしており、その影響はまだ長期化するだろうと見込まれております。 また、現在は感染者数が減少傾向に転じていますが、新型コロナウイルスの第七波という荒波の影響もあり、幅広い事業者が複合的なリスクにさらされ、より厳しい状況に立たされています。 こうした中、国においては、足下の原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に、最大の警戒感を持って迅速に対応するため、岸田首相を本部長とする物価・賃金・生活総合対策本部が設置され、物価高騰等の影響から国民生活や事業を守っていくため、様々な対応が講じられているところであります。 今月九日に取りまとめられた国の追加策では、ガソリン価格の上昇を抑えるための石油元売会社に対する補助金の延長や、六千億円の地方創生臨時交付金の追加配分など、現下の厳しい情勢を踏まえ、さらなる支援が行われることとなり、加えて来月には補正予算を伴う総合経済対策を策定する方針も示されております。 我が公明党においても、現場の声を集めて、中小企業支援策の強化に向けた政府への提言・要請を重ねてまいりました。これにより事業再構築補助金において、新型コロナに加えて原油高などの影響を受ける事業者へ対象が拡大されたほか、資金繰りを支援するセーフティネット貸付の金利引下げ幅を拡大されるなど具体的な成果につなげてまいりました。 本県では、厳しい状況に置かれる中小企業への支援のため、当初予算においてコロナ禍を踏まえた消費需要喚起策を措置されたほか、六月補正予算では、省エネや生産性向上に取り組む中小企業への補助金を創設し、また、このたびの予算でその補助金を拡充されるなど、本県の実情に応じたきめ細やかな支援に取り組んでおられます。 コロナ禍に加え、価格転嫁のスピードを上回る勢いで押し寄せる原材料価格の上昇等に苦しむ多くの中小企業にとっては、これ以上の負担増は限界といった状況にあります。 こうした状況に置かれる事業者に、これまで措置された支援策も含めて、しっかりと届けるとともに、刻々と変化する社会経済情勢を踏まえ、事業者の声に耳を傾けながら、必要とされる支援を今後も的確に実施していかなければならないと考えます。 中小企業は、これまでも積極果敢に挑戦を続け、多くの困難を乗り越えてこられました。しかしながら、かつてない難局とも言える現状を克服するためには、国や県の支えが不可欠であります。山口県においても、中小企業は今後も本県経済の担い手・屋台骨として、それぞれの企業力を存分に発揮できるようにしっかりと支えていただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねいたします。県では、原油価格・物価高騰に伴う中小企業支援に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、DX推進拠点を核としたデジタル改革の推進についてお尋ねいたします。 村岡知事は、デジタル技術によって、県民一人一人が希望するライフスタイルを自由に選択でき、かつ豊かさと幸せを実感できる社会を目指し、やまぐちデジタル改革を積極的に進められております。 昨年十一月には、本県のDXを官民挙げて推進していくための拠点、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」を開設されました。 この拠点では、企業や団体等のデジタル化に向けて、高い知見やノウハウを有する専門スタッフを配置し、AIなどの最先端技術の展示や紹介を行っています。 さらには、DX推進へのコンサルティング対応や、企業等によるアプリ開発、データ解析などの実証実験の技術支援など、様々な取組が積極果敢に進められているところであります。 我が公明党会派もデジタル化によって地域社会が抱える様々な課題の解決や新たな価値の創造を図り、それを地域の活性化につなげていくことが大変重要と考えており、こうした取組を高く評価しております。 とりわけ、デジタル技術を活用し、県内の各地域・各分野において、様々な課題解決に向けた取組を進めることは大変重要と考えておりますが、この「Y─BASE」から優良事例も幾つかつくられていると伺っております。 その一つが、私の地元、周南市のデータドリブンな野犬対策施策に向けたデータ利活用であります。 データドリブンを簡単に言えば、いわゆるKKD──勘と経験と度胸に頼らず、きちんとデータを分析して課題解決しましょうということであります。 周南市では、市民から野犬情報の提供を受けるしゅうなん通報アプリを構築していましたが、データをうまく活用できていないという課題をお持ちでした。 このため「Y─BASE」のコンサルティングを受け、市民の通報データを生かして、野犬の目撃情報を分かりやすく見える化し、効果的な情報提供へとつなげられ、市民生活に大きく貢献するものとなりました。 こうしたコンサルティングに対する利用者の満足度も九六・一%と、ほぼ一○○%に近いと伺っており、しっかりと利用者のニーズに応え、課題解決にもつながっているのではないかと考えております。 今後も地域の様々な課題解決に向けて、この「Y─BASE」をしっかりと生かしていただきたいと思っております。 そのためには、ここでつくられた優良事例を同じような課題を有する方々へと横展開を図るなど、県内各地へと波及させ、デジタルによる課題解決の好循環を全県的に拡大していくことが重要だと考えております。 また、県のデジタル化の先駆けとなる「Y─BASE」においては、より発展的な取組や新たなチャレンジをぜひとも前向きに進めていただきたいのであります。 そこでお尋ねいたします。豊かさと幸せを実感できるデジタル社会の実現に向けて、今後、DX推進拠点「Y─BASE」を核とした、やまぐちデジタル改革にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、GXの実現に向けた再生可能エネルギーや電気自動車の普及促進についてお尋ねいたします。 本年七月、政府は脱炭素社会への移行に向けた政策を検討するGX実行会議の初会合を開き、議論を本格的にスタートさせました。 GXとは、グリーントランスフォーメーションの略で、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換など、脱炭素化に向けた取組を経済成長のチャンスと捉え、社会経済や産業構造の変革を促していこうという考え方です。 脱炭素を進める最大の理由は、日本が二○三○年度までに温室効果ガスの排出量を二○一三年度比で四六%削減し、二○五○年までにカーボンニュートラルを達成することを国際的に約束している点にありますが、これは非常に高い目標であり、達成するには国を挙げたGXの実行が求められています。 GXが実現すれば、産業革命以来、化石燃料を中心に発展を遂げてきた社会経済の在り方が大きく変わることになりますが、経済産業省が今年五月に発表したクリーンエネルギー戦略の中間整理によると、脱炭素化を進めるためには二○三○年時点で官民合わせて年間約十七兆円という莫大な投資が必要と試算されています。 このため、我が公明党としても、先月九日には環境大臣に対し、GXの実現に必要な費用の確保に資するため、概算要求に関する重点施策要望として、技術革新の加速化と投資拡大を両立させるカーボンプライシングの制度設計を要望したところであります。 また一方、GXの実現に向けては、産業部門での削減に資するような企業自らの挑戦による供給基盤の変革はもちろんのこと、最終消費者である家庭や事業所、いわゆる民生部門における意識変革や行動変容などの取組も必要だと強調されています。 国の地球温暖化対策計画においても、家庭部門や事業所等が含まれる業務その他部門の削減割合が二○一三年度比で五○%以上と、どの部門よりも高い削減が求められており、先ほどお示しした年間十七兆円の投資のうち、電気自動車を含む次世代自動車や省エネ性能の高い住宅・建築物の導入など、最終消費者に関する必要な投資額は約四兆円とされています。 こうした国を挙げてのGX実行の動きに併せ、県としても最終消費者への再生可能エネルギーや電気自動車の普及など、民生部門での取組をより一層促進していく必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。グリーントランスフォーメーションの実現に向け、本県は、再生可能エネルギーや電気自動車などの普及促進に今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、部活動の地域移行についてお尋ねします。 少子化が進行する中、これまで長年続いてきた学校の部活動の在り方が、現在、大きく変わろうとしています。 近年、中学校等の生徒数や教員数の減少が進んでおり、中学校等の部活動を取り巻く環境は大きく変化しています。 国の調査によると、公立中学校の生徒数は、第二次ベビーブーム世代が中学生であった一九八六年がピークで、約五百八十九万人でしたが、昨年は約二百九十六万人とおおむね半減しています。 それに伴い、一校当たりの生徒数も減少が進み、近年では部員が集まらない部活動が増えています。例えば、サッカーは一チームで最低十一人、野球では最低九人が必要でありながら、生徒数の少ない学校では、こうした部活動の継続すら深刻な状況になっております。 こうした中、国においては、令和五年度以降、子供たちのスポーツや文化活動の機会の確保に向けて、主に公立中学校を対象として、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教員が、部活動に従事しない環境を構築する方針を示されました。 また、この方針の下、運動部及び文化部それぞれにおいて、部活動の地域移行に向けた有識者会議を設置し議論が進められ、本年六月、公立中学校の運動部の地域移行について、有識者会議が提言をまとめ、公表されました。 それによりますと、二○二三年度から二五年度までを改革集中期間に位置づけ、自治体などに対し、まずは休日の部活動から段階的に地域のスポーツ団体などに移行するよう求めています。 また、八月には、吹奏楽部など文化部活動の有識者会議も提言をまとめ、運動部と同様に二五年度末を目途に、休日の部活動を学校から地域の文化芸術団体などに移行するとしています。 本県においても、少子化の進行や指導する教員が減少する中、特に団体で行う部活動を中心として、学校単位での活動の維持が難しい状況も見られており、子供たちの活動機会の確保のためにも、国の示す地域移行に前向きに取り組んでいかなければならないと考えております。 また、これらの国の提言では、実現に向けた課題として、受皿となるスポーツ・文化芸術団体や指導者の確保、経済的に困窮する家庭に活動費用を援助するための財源の捻出などが掲げられています。 本県の地域移行に当たっても、様々な課題が当然予想されますが、それらの解決に向けては、県、県教委、市町や地域などが連携、役割分担の上、対応していくことが必要となります。 来年度から改革集中期間がもう始まりますが、五十年築き上げてきた学校の部活動が、今大変革のときを迎えています。今の部活動をそのまま地域に水平移動させるのではなく、学校、指導者、子供や保護者ら、参加者の皆が主体的に関わり、地域の実情に合った新しい活動として定着できるよう取り組んでいただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねいたします。受皿や指導者の確保という課題もある中で、地域で子供たちのスポーツや文化活動機会の持続的な確保が求められておりますが、部活動の地域移行に向けて、どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、運転免許行政のデジタル化についてお尋ねします。 まず、山口県内の運転免許保有者の状況については、令和四年八月末時点で八十九万六千九百七十五人であります。高齢化の進展で運転免許を保有する高齢者が年々増加傾向にあり、免許保有者のうち六十五歳以上の高齢者は二十七万百十五人で、保有者の約三○%を占めているのが、今の山口県の状況であります。 そうした中でも県内の交通事故発生状況については、人身事故件数は平成十二年から二十二年連続で減少、負傷者数も平成十三年から二十一年連続で減少しています。 また、昨年度の死者数は三十四人で、統計を取り始めた昭和二十六年以降最少とのことで、官民一体となった長年の交通事故抑止対策が実を結んでいる結果であろうと思います。 さて、昨年六月議会の私の代表質問では、全国に先駆けてモデル事業としてスタートすることとなった優良運転者講習のオンライン化について質問させていただきました。 令和四年八月末現在のオンラインによる講習受講者数は四千二百二人であり、優良運転者講習対象者の八・二%であると聞いておりますが、利用した方たちの声として、「コロナ禍にあって密にならない講習は安心できた」「生活スタイルに応じた受講が可能であり便利」という肯定的な意見が多数であったと聞いております。 優良運転者講習のオンライン化は、全国に先駆けたモデル事業であり、今後の全国実施に向けた効果検証や必要なシステム改修はしっかりとしていただきたいと切に願っております。 また、運転免許行政の一層の合理化・効率化を図るために、奈良県、長崎県等では、運転免許の自動申請受付機をいち早く導入し、申請書作成時間の短縮や非接触での免許更新を進めているということを耳にいたしました。 このようなシステムを山口県においても導入することができれば、警察職員の業務の効率化が図られるだけでなく、県民の利便性も大きく向上させるものになるだろうと考えます。 さらに、コロナによる影響は今後もしばらく続くものと思われます。非接触であれば、感染リスクも低減できますので、県民にとっても職員にとっても安心です。こうした点に、今後の運転免許行政の課題があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。山口県における移動手段として、車は欠くことのできないものであり、必然的に膨大な運転免許に関わる手続も付随して必須のものとなっております。したがって、その手続のデジタル化は、計画的にかつ迅速に進めていかなくてはなりませんが、運転免許行政のデジタル化について、今後どのように進めていかれるのか、警察本部長にお伺いをいたしまして、私の代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 上岡議員の代表質問にお答えします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねのうち、発生届の見直しについてです。 国においては、感染者の大部分が軽症・無症状であるオミクロン株の特性を踏まえ、重症化リスクの高い方を守ることに重点を置くため、発生届の対象を六十五歳以上や妊婦等に限定し、本日から全国一律で導入されます。 今回の見直しにより、若い軽傷者等については、発生届の対象外とされ、基本的には自己管理での療養となることから、私は、導入に当たっては、こうした方々も安心して自宅療養できる支援体制の構築が極めて重要であると考えています。 とりわけ、体調変化時に迅速に対応するためには、対象外となる方に関する基本情報の把握が必要であることから、本県では、今般、自宅療養者フォローアップセンターに新たに登録機能を付加するとともに、健康や生活に関する相談機能の一層の拡充を図ったところです。 まず、登録に当たっては、ウェブや電話により二十四時間受け付けることとしており、また、確実に登録していただけるよう、診断時に医師から直接本人に登録を促すとともに、県のホームページを通じて、登録の必要性について広く周知してまいります。 また、療養中の健康上の不安に関し、いつでも気軽に相談できるよう、センターに医師・看護師を二十四時間配置することに加え、新たに医療機関と登録情報を共有できるデータベースを構築し、速やかに適切な医療につなげてまいります。 さらに、食事等、生活上の様々な相談にしっかりと対応できるよう、電話による相談を従来の十七時から二十時まで延長するほか、新たにウェブによる二十四時間受付を開始いたします。 こうした支援体制や支援内容については、自宅療養者に確実に伝わるよう、医療機関から本人に対してリーフレットにより個別に説明するとともに、県のホームページ等を通じて広く県民にも情報発信してまいります。 私は、発生届の対象外となる方も含め、誰一人取り残されることなく、安心して療養していただけるよう、医師会等関係機関と連携の下、自宅療養者の支援に万全を期してまいります。 次に、新型コロナワクチンについてです。 お示しのオミクロン株対応ワクチンは、重症化予防はもとより、感染予防や発症予防にも高い効果が期待されており、感染拡大防止の観点から、できるだけ多くの方に、速やかに接種していただくことが重要と考えています。 特に、今後、インフルエンザとの同時流行への懸念や、冬の感染拡大期に備えるため、私は、年末までに希望される全ての方への接種完了を目指し、先般、市町や医療関係団体と接種の促進に向けて共通認識を図ったところです。 具体的には、市町において、医療機関での個別接種や集団接種会場を増設するとともに、県においても広域集団接種会場の開設や、企業等における職域接種の支援などを行い、接種が本格化する十月半ば以降には、一日約一万回ペースの接種体制を確保してまいります。 また、接種回数や接種日など、個人ごとに接種履歴が異なることから、接種を希望される方の混乱を招かないよう、県民の皆様に分かりやすく、丁寧な周知が必要と考えています。 このため、実施主体である市町において、接種対象者や接種開始時期、ワクチンの効果・安全性などを盛り込んだリーフレットを作成・配布するとともに、県や市町のホームページを通じて、広く情報発信してまいります。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、市町や関係機関等との連携の下、今後とも新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでまいります。 次に、原油価格・物価高騰に伴う中小企業対策についてのお尋ねにお答えします。 急速な円安が進行し、原材料価格が上昇する中、価格転嫁が十分進んでいない中小企業の収益が悪化するなど、原油価格・物価高騰による影響の長期化が懸念されています。 こうした情勢に対応するため、国では先般開催した対策本部において、臨時交付金の追加配分や燃料油価格の激変緩和事業の継続などの対策を決定するとともに、中小企業の活性化に向けた資金繰りをはじめとする支援パッケージが示されました。 本県においても、コロナ禍に加え、物価高騰により中小企業はさらなる打撃を受けており、私は、事業継続が図られるよう国の対策と呼応しながら、企業ニーズに対応した支援策を適切に実施することが極めて重要と考えています。 このため、当初予算で措置したこれまでにない規模の消費需要喚起策に加えて、物価高騰等の影響を最小限に抑えるため、六月補正予算において原油価格・物価高騰対策を措置し、着実かつ効果的に取り組んでいるところです。 消費需要の喚起に向けては、クラウドファンディングを活用し、事業者の資金支援と消費喚起を併せて行う頑張るお店応援プロジェクトにおいて、想定を上回るペースで目標額二十億円の支援の申込みがあり、県内の需要喚起に大きな効果があったものと考えています。 また、物価高騰対策では、収益が圧迫されている事業者の資金繰りを支援する新たな融資制度や、省エネや生産性向上に資する設備導入の補助制度を創設し、厳しい状況にある事業者に一刻も早く届くよう、スピード感を持って取り組んでいます。 こうした物価高騰の長期化等を背景に、想定を上回る多くの事業者から設備導入補助の申請を頂いており、私はこうしたニーズに的確に対応し、広く中小企業の経営改善を図るため、このたびの補正予算において、事業費を大幅に拡充することとしました。 また、国の支援パッケージに速やかに対応し、中小企業の事業再構築などに向けた資金需要に応えるため、来月から制度融資における伴走支援型の保証限度額の引上げを実施します。 さらに、経済情勢の動向や企業ニーズ、また、来月示される国の経済対策等を踏まえながら、中小企業のエネルギー価格高騰の影響緩和など、経営基盤の強化等に資する追加の対策について検討してまいります。 加えて、物価高騰には、国と地方が総力を挙げて取り組む必要があることから、国の支援パッケージの強力な推進や事業再構築補助金等の充実、価格転嫁の円滑化など、中小企業の経営改善に資する取組を国に求めてまいります。 私は、今後とも本県経済の重要な担い手である中小企業が、積極果敢に挑戦を続け、困難を乗り越えていけるよう、原油価格・物価高騰に伴う中小企業支援に積極的に取り組んでまいります。 次に、DX推進拠点を核としたデジタル改革の推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、県政の各分野でデジタル改革を強力に推進することにより、今までにない手法での地域が直面する様々な課題の解決や、新たな価値の創造を目指し、本県ならではのDX、やまぐちDXの創出に積極果敢に挑戦しています。 この取組の核となる、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」では、大手IT企業を共創パートナーとして、その技術やノウハウ等を導入し、技術紹介やDXコンサル、人材育成など、地方におけるDX推進の全国的なモデルともなる取組を先駆的かつ幅広に展開しているところです。 このうちDXコンサルについては、プロジェクト件数は既に百件を超え、専門スタッフの高いスキルと拠点の多彩な機能を生かした手厚い支援が非常に高い評価を得ています。 そうした中で、周南市の野犬対策などの行政分野の取組や、人手不足が深刻化する産業分野での生産工程の自動化の取組など、様々な分野で課題解決のモデルとなる事例が生まれています。 私は、全県的なDXの推進に向け、こうした事例の横展開を図り、それを各分野のデジタル実装と課題解決へとつなげるとともに、各地域における新たな事例創出と横展開の強化を図るため「Y─BASE」の広域展開も積極的に進めていきます。 まず、横展開に向けては、課題を抱える各主体がデジタルの可能性を知り、成果イメージを持って、取組の第一歩を踏み出すよう働きかけることが重要です。 このため、「Y─BASE」の取組事例等を分野・カテゴリー別に整理をし、その取組内容や成果を、連携する金融機関等を通じて企業などへ提示するとともに、ホームページやSNSで分かりやすく発信し、これをDXコンサルの拡大とそれを通じた取組の横展開へとつなげていきます。 次に、「Y─BASE」の広域的な展開に向けては、宇部市の創業支援施設をサテライトと位置づけ「Y─BASE」の活用環境を整備しましたが、引き続き意欲ある市町と連携してサテライト施設を設置し、各地域における課題解決事例の創出を図る取組等を進めます。 さらに、「Y─BASE」が、本県のDXを牽引できるよう、新たなチャレンジにも積極的に取り組みます。 これまでも、社会を大きく変える可能性のあるインターネット上の仮想空間メタバースの導入支援や、デジタル庁に全国をリードする取組と評価された、デザイン思考の実践人材の育成など、先進的な取組を進めており、今後も「Y─BASE」において、様々な挑戦を積み重ねていきます。 私は、「Y─BASE」を核として、県内各地域、各分野におけるDXの取組をしっかりと支援し、県民の皆様にこれまで以上の豊かさと幸せを実感していただけるよう、やまぐちデジタル改革に全力で取り組んでまいります。 次に、GXの実現に向けた再生可能エネルギーや電気自動車の普及促進についてのお尋ねにお答えします。 脱炭素社会の実現に向けて、現在、国では二○五○年カーボンニュートラルという目標を掲げ、お示しのように、経済社会システム全体の変革を促すGXの実行について検討を進めているところです。 私は、こうした国の動きに呼応し、GXは経済と環境の好循環をつくり出し、将来の大きな成長につながるとの考えから、やまぐち未来維新プランにグリーンの視点を設け、脱炭素化に向けた県施策全体の基本的な方向性を示すこととしました。 このたび取りまとめたプランの素案では、脱炭素社会の実現に向けた地域づくりの推進を重点施策に掲げ、再生可能エネルギーや電気自動車の普及促進などにより、家庭や事業所など民生部門の取組を積極的に進めていくこととしています。 具体的には、まず、再生可能エネルギーについて、県産品として登録した太陽光発電や蓄電池などを設置するネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの導入を支援するとともに、内覧会や宿泊体験の開催により、県民の行動変容を促し、普及につなげてまいります。 また、中小企業に対して、脱炭素セミナーを開催し、再生可能エネルギーの意識改革を図るとともに、新たに再生可能エネルギー電力の利用に積極的に取り組む事業所の認定制度を創設し、利用の拡大を後押ししているところです。 次に、電気自動車については、岩国市で実施している分散型エネルギーの実証事業において、太陽光発電と電気自動車を組み合わせた際のCO2の排出削減やコスト削減の効果とともに、多様な利用方法等についても取りまとめ、これらを広く普及啓発してまいります。 今後は、この実証で得られた成果等を生かしながら、県有施設に太陽光発電や電気自動車等を率先導入し、分散型エネルギーの普及啓発の拠点として整備することにより、市町や事業所などへの導入につなげていく考えです。 さらに、現在改定を進めている地球温暖化対策実行計画では、再生可能エネルギーの発電出力や、電気自動車等の導入割合について、二○三○年度の目標値を再設定することとしています。 これらの目標の達成に向けて、中小企業への新たな再生可能エネルギー導入支援策などの検討を進めていくとともに、今後、政府要望等を通じて、必要な財政支援等を要望していきたいと考えています。 私は、今後ともGXの実現に向けて、県民や企業の理解と積極的な参加を得ながら、総力を挙げて、家庭や事業所への再生可能エネルギーや電気自動車の普及促進に取り組んでまいります。 次に、部活動の地域移行についてのお尋ねにお答えします。 部活動は、生徒の体力や技能の向上はもとより、人間関係の構築や責任感・連帯感の涵養など、生徒の成長過程において重要な役割を果たすものとして、学校の教育活動の一環として運営されてきたところです。 しかしながら、近年、少子化や教員の働き方改革が進む中で、特に地方において、これまで中学校が担ってきた学校単位での部活動の継続が困難な状況も生じており、将来に生徒がスポーツや文化活動に親しむ機会が減少することが懸念されています。 こうした状況を踏まえ、国においては、令和二年九月に、令和五年度以降、公立中学校の休日の部活動を段階的に地域へ移行する方針を決定したところであり、今後、部活動の地域移行に関する国の有識者会議の提言を踏まえたガイドラインが示される見込みです。 私は、少子化が進む本県においても、こうした国の方針を踏まえ、持続可能で多様なスポーツ・文化環境を整備し、将来にわたって子供たちが希望するスポーツや文化活動に親しむ機会を確保していくことが必要であると考えています。 このため、これまで県教育委員会において、県内の中学校での地域移行の実践研究に取り組むとともに、県内関係機関等で構成する部活動改革推進協議会を設置し、実践研究の成果等を踏まえ、地域の実情にも即した取組の方向性の協議を進めているところです。 また、今年度新たに、各市町が設置する地域移行に向けた運営・検討協議会の開催を支援し、各地域における市町や学校、関係機関等との協議、検討を促進しているところです。 さらに、地域移行に意欲的な総合型地域スポーツクラブと地元の中学校とが連携して実施する体制整備の取組に対して支援を行うなど、地域の受皿確保に向けた取組も進めています。 今後は、県教育委員会と連携し、実践研究で明らかとなった指導者の確保や運営主体の在り方等の課題とともに、国から示されるガイドラインの内容等も踏まえながら、本県の部活動の地域移行に向けた推進計画を策定したいと考えています。 この計画には、地域移行の方向性やスケジュール、課題解決に向けた具体的な方策等を盛り込むこととしており、これにより市町が主体となって行う地域移行に向けた取組を促進することとしています。 私は、子供たちのスポーツ・文化活動の機会の確保に向け、今後とも県教育委員会と一体となって、各市町や関係機関、団体等と緊密な連携を図りながら、部活動の地域移行が着実に進むよう取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 中西警察本部長。    〔警察本部長 中西章君登壇〕 ◎警察本部長(中西章君) 運転免許行政のデジタル化についてお答えいたします。 運転免許は、県民の方々にとって最も身近な資格であり、運転免許行政のデジタル化を進めていくことは、業務の効率化が図られるだけでなく県民の利便性向上を実現する極めて重要なものであると考えております。 議員お示しの優良運転者のオンライン講習につきましては、全国に先駆けてモデル事業として本年二月から実施しており、受講者が増加傾向にあるほか、受講者からは「時間と場所に制限がなく受講できる」「二十四時間自宅でも受講できて便利である」「次回もオンライン講習で受講したい」など、好意的な意見が多数寄せられているところです。 令和六年度末の全国運用に向けて、県警察としても必要な効果検証を行い、国民の利便性向上に資する、より良い事業となるよう努めてまいります。 また、同じく令和六年度末までには、各都道府県警察が個別に運用している運転者管理システムが、警察庁において整備される全国共通の新たなシステムへ順次移行され、運転免許行政のデジタル化が進められることになります。 具体的には、自動申請受付機の導入や運転免許証とマイナンバーカードの一体化であり、令和四年度には必要な予算の調達、令和五年度には機器類の整備、その後、機器の接続試験等を経て、令和六年度中には運用を開始できるよう諸準備を進めております。 自動申請受付機は、議員お示しのとおり、申請者個々に必要な書類が自動的に作成されるなど、手続に要する時間の短縮が図られ、さらには新型コロナウイルスの感染リスクの低減にも効果が期待できることから、導入を計画しております。 運転免許証とマイナンバーカードとの一体化は、住所変更手続のワンストップ化や自動車等を運転する際に、マンナンバーカードとは別に運転免許証を携帯する必要がなくなるなどの効果があります。 県警察といたしましては、関係機関と連携を図り、運転免許行政のデジタル化を計画的かつ迅速に進めるとともに、県内の三か所で実施している運転免許証の即日交付施設の拡充について検討を行うなど、県民の利便性向上に資する取組を一層進めてまいります。 ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時五十分休憩   ─────────────    午後一時開議
    ○副議長(二木健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一代表質問 △日程第二議案第一号から第十九号まで ○副議長(二木健治君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 井上剛君。    〔井上剛君登壇〕(拍手) ◆(井上剛君) 皆さん、こんにちは。民政会の井上剛です。 早速ですが、会派を代表し、県政の諸課題に対し質問させていただきます。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の対応についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症が我が国に確認されてから二年半、七月からのオミクロン株BA・5による第七波では、一日の感染者数も全国で過去最高を更新しました。 感染については、ウイルスも変異を繰り返すことで、感染力は上がるが弱毒化すると言われ、さらに、ワクチン接種の広がりと自然感染による免疫保持者の増加により、重症化防止効果が出てくるので、感染者数増加に比べて重症者数が少なく、軽症化してくると考えられていました。 実際に第七波では、感染者数は過去最高を記録していますが、全国の一日の重症者数のピークで見ますと、第一波から第五波のあった二○二○年一月から昨年十二月末までの二年間では二千二百二十三人、今年の一月から六月の第六波では千五百七人に対し、今回の第七波では六百四十六人と大幅に下がってきています。 しかし、同様の期間で一か月平均の死亡者数で見ますと、第五波までの二年間では七百六十六人、第六波の六か月間では二千百四十八人、そして第七波の七月から九月二十五日までの約三か月では約四千四百人と上昇しています。 同様の期間で本県の死亡者数を見ましても、最初の二年の一か月平均が約四人、第六波では約十五人、そして第七波では約六十六人と激増しています。 この死亡者数について、発生当初は感染によって重篤な肺炎症状となり、お亡くなりになられた方が多かったのですが、今の変異株では、感染症そのものでお亡くなりになられたのではなく、基礎疾患があった方が感染をきっかけとして、持病が悪化してお亡くなりになるケースが増えているために、重症者は少ないが死亡者数が多くなっていると言われています。 そのために、ある県の知事は、死亡者数のカウントを見直すべきだ等の意見をおっしゃっています。 しかし私は、死因は別であっても、きっかけは新型コロナウイルス感染症に感染したことで持病の悪化を招いたと考えられる限りは、見直しはすべきではないと考えています。それは、新型コロナウイルス感染症に対して油断を招いてしまうと考えるからです。 また、感染者の全数届出については、医療現場の負担軽減のために、本日から高齢者などに限定した重点化が全国一律で運営が開始されています。 私は、簡略化については、最初に感染が広がった第一波の令和二年五月二十九日から運用を開始したHER─SYSの内容を見直すべきだと考えていました。 それは、氏名などの基本情報、発症日などの検査診断に関する情報、入退院日など措置などの情報、行動歴など積極的疫学調査関連情報など、入力項目が多く設定されていたからです。 こうしたこともマイナンバーを活用する、そして感染症も二年以上経験したのですから、患者さんの命を守るため、医療機関や保健所の負担軽減のために、今、何が本当に必要な情報項目なのかを現場の声を聞いて見直すことで、全数届出は継続すべきと考えていました。 今回の重点化で、発生届の対象外となった方を対象とした健康フォローアップセンターを運営することとなっていますが、第七波では、一日最高で約二万三千人の方が自宅療養等をしており、自宅療養者の方が保健所などに相談しようとしても、電話がつながらないといった苦情を多く聞いています。 一点目として、知事として今後の本県の感染者の命を守るために、発生届の全数届出の見直しに対し、どのように考え、自宅療養者が安心できるようどう対応していかれるのか、お伺いいたします。 二点目は、医療体制の整備についてです。 先ほど御案内したように、変異株によって感染者数は増加し、持病が悪化してお亡くなりになるなど、死亡者数が増加する事態となっています。 今後、症状が軽いが基礎疾患がある方で宿泊療養や自宅療養を希望した方、基礎疾患がなく、宿泊や自宅療養をしている方の容態急変に対応できる医療体制の整備が急がれます。 今回の第七波での死亡者数の増加の要因を、県はどのように分析し、今後、患者さんの命を守るための医療体制の整備にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 三点目は、ワクチン接種についてです。 現在、六十歳以上の方と基礎疾患のある方、かかりつけ医さんから接種を勧められた方は四回目を、十二歳以上の一般の方は三回目まで、五歳から十一歳までの子供さんも三回目までの接種が行われています。 全県の全人口に占める三回目まで接種した方は約六九%であり、若い方の接種がなかなか進んでいないのが現状です。 それに加えて、六十歳以上の方で四回目の接種を今は見送る方も増えています。それは、新たに供給が開始された新しいワクチンを待つという方が増えているからです。 今まで供給されていたワクチンでは、現在主流となっているオミクロン株に対する感染・発症予防効果が低く、新しく開発された二価ワクチンは、それに対応していると報道されているからです。 しかし、国として新しく供給されるワクチンは、どのくらいの量を確保でき、どのように供給していくのか、前回の接種からどの程度間隔を空ける必要があるかなど、おおよその接種計画などの情報が少ないために、どうすべきかと迷っている方も多いのも事実です。 オミクロン株対応二価ワクチンは、BA・1に対してはウイルスの働きを抑える中和抗体の値がファイザー社製で一・五六倍から一・九七倍に、モデルナ社製で一・七五倍に上昇したとされています。 しかし、現在主流となっていますBA・5では、その効果は低くなると言われています。 さらに米国では、BA・5対応ワクチンの接種も開始され、どうせならそのワクチンをいち早く打つためにそれを待つという方も出てくる可能性があります。感染しての重症化を防ぐためには、今あるワクチンを積極的に接種したほうがよいとする意見もある中で、県として、ワクチン接種の促進をもっと積極的に発信しなければならないと考えます。 県として、新しいワクチンの入荷も踏まえ、今後、どのように接種を促進していかれるのか、お伺いいたします。 次に、人口減少・少子化への対応についてお伺いいたします。 人口減少・少子化に歯止めがかかりません。二○二一年十月一日の山口県の人口は、前年に比べ一万四千六百七人減の百三十二万七千四百五十二人となりました。 対前年度比でも一・一%減少と、三十六年連続の減少で過去最大となりました。 令和三年の人口増減を見ますと、県外転入・転出に伴う社会増減は三千五百九十九人の減少となっていますが、高卒や大卒の学生の県内就職支援活動などで県内の就職率の向上や移住促進などで減少幅が小さくなっています。 その一方で、自然増減は一万一千四百九十六人減と減少拡大が続いています。人口学的には、人類は多産多死、多産少死、少産少死、少産多死というサイクルで流れていくと言われ、日本では少子化に歯止めがかからない上に、二○二四年から年間百五十万人以上が亡くなる多死時代に突入することから、自然減はさらに加速していく模様です。 大人になったら結婚して、子供を産んでというのはもう古い話で、生き方の多様化、経済的理由などで結婚をしないことを選択する人も増加しています。 したがって、婚姻数や出生数が多少改善されたところで大きな流れは変わらず、人口構造の新陳代謝には少なくとも百年はかかると言われており、人口は減少し続けると言われています。 こうしたことを考えますと、人口は減り続けるという現実を前提に、少子化を少しでも食い止めることに併せ、人口減少に合わせた適応戦略を考えていかなければならないフェーズに来ていると言えます。 人口減少の克服を最重要課題としています本県におきましても、二○二一年の合計特殊出生率は一・四九となり、二○二四年目標の一・七への引上げが厳しい状況です。 本県の将来推計を見てみますと、二○四五年には人口が百四万人へと減少する見込みで、年齢三区分で見ますと、十五歳から六十五歳までのいわゆる生産年齢人口は約二十万人も減少しています。 こうした人口減少・少子化の影響は、労働力供給の減少、現役世代の負担増大による疲弊、市町のサービス低下など、マイナスのことが考えられます。 活力ある県を維持していくには、こうした流れの中でも若い方や労働力のある方々に、山口県に住むことを選択していただけるような、全国に先駆けた思い切った政策が必要です。 山口県だから安心して子供を産める、あるいは子供ができるから山口県に住みたいと出産を希望する方に選ばれるような思い切った政策です。 子育て支援で人口増加に転じた明石市では、五つの無償化を掲げました。遊び場、一歳までのおむつとミルク、第二子以降の保育料、中学校の給食、高校三年生までの医療費です。 こうしたことを県内の市町と連携して、県内全ての市町で実施することも大きな話題になると考えます。 また、労働力の確保として、高齢者・障害者・女性の就業環境の整備、高付加価値型の新規産業分野の創出、疾病や要介護状態の防止と高齢期における社会参加の推進、デジタル化やロボット等による省人化による生産効率向上なども進めなくてはなりません。 また、地方行政もサービス低下を招かないような地域連携したデジタル化の推進なども必要です。 県として、人口減少が進む国内にあって、活力ある山口県として他県に打ち勝つために、どのように適応した戦略に取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 次に、農林水産業の成長産業化についてお伺いいたします。 農林水産業は、食料の安全と安定供給という基本的な役割に加え、県土や自然環境の保全など、多面的な機能を有している重要な産業です。 しかし近年では、担い手の減少や高齢化、産地間競争の激化、異常気象による生産不安など多くの課題に直面しています。 こうした課題に向け県では、今後、十年程度を見通した本県農林水産業のあるべき姿を見据え、当面、五年間の着地点までの着実な歩みを刻む、やまぐち農林水産業成長産業化行動計画を平成三十年に作成し、今年度が計画の最終年度となっています。 計画は、四つの柱、十九の重点項目、六十九の数値目標からなり、中核経営体を核とした山口県農林水産業の成長産業化を目指すものです。 二○二一年までの実績を見てみますと、未来を担う人材や中核経営体の育成では、新規就農者や女性リーダー、経営参画者の育成は順調に上がってきていますが、担い手の経営面積などは目標に大きく届かない様子です。 生産意欲と需要を創造する、ぶちうま!維新については、コロナ禍の影響もあり、主要なブランド品目の販売量や大都市圏への販路拡大は目標を大きく下回っています。 そして、全体の動向を見ましても、総農家数、販売農家とも年々減少の一途であり、かつ、基幹的農業従事者の四分の三以上が六十五歳以上の方です。また、経営耕地面積が一ヘクタール未満の経営体が約六六%も占めています。 林業については、減少の一途でありましたが、近年では新規就業者も増加しつつありますが、林業経営体数は減少傾向が止まりません。水産業も同様な傾向です。 農林水産省が三月に公表した二○二○年の農業総産出額を見てみますと、山口県は前年より四十億円減少した五百八十九億円で全国四十二位となっています。 以前は新潟県など米どころが上位の常連でしたが、需要の低下もあり、稼げる農業への内訳が一変し、畜産や園芸への転換を進めた九州勢が上位に位置してきており、トップテンには鹿児島県、宮崎県、熊本県が入っているだけでなく、沖縄県を除く九州七県の最下位である大分県でも千二百八億円で全国二十六位です。 躍進を遂げた宮崎県では、みやざきブランド確立戦略構想を進め、作ったものを売るから売れるものを作るを目標として、高級マンゴーのブランド「太陽のタマゴ」や宮崎牛、日向鶏など商品の質を高めるとともに、畜産物と花卉を除く全てのブランドに月二検体以上の残留農薬検査を義務づけ、基準値を超えた場合は迅速に出荷停止措置を取れる安心・安全を前面にした体制も整えたのです。 本県も県産農林水産物のブランド力強化として、味や品質に優れ、全国に誇れるやまぐちブランドを県内外に積極的に販売しようと、ぶちうま!アンバサダーを活用したSNSによる情報発信や、大都市圏での商談会出展ややまぐちフェアを行ってきました。 しかし、主要なブランド品目、ゆめほっぺ、日本酒、長州黒かしわ、乾椎茸、きじはたの販売量は、二O一七年基準で、二○二○年は三%減であり、今年度目標の二○%増を達成することが難しい状況です。 耕作規模に関して、私がある若い農家の方から伺った話では、近年、農業機械も進化し、大型で作業効率も上がってきた。周りにはまだまだ作れる農地が多く残っているし、作るだけの労力も確保できる。問題は、販路開拓に加えて、それを保存しておく技術で、それがないから作っても腐らせるだけになる。近年、毎年のように繰り返される異常気象を考えると、安定的に一年中にわたって県産の農産物、特に野菜を新鮮な状態で供給できる保存技術と保管庫が必要と考えるとおっしゃっていました。 また、人の確保においても、近年では、農業に興味のある都市住民の方が、多様な働き方の中で別の仕事をしながら農業をする半農半Xや、ワーケーションと農業を組み合わせた農ケーション、繁忙期の異なる複数の地域の農協が連携し、就業期間終了後に次の就職先を紹介し合う取組など、多様な農業への関わり方も出てきています。 そして、近年の異常気象による不作や大規模自然災害、豚熱などの動物疾病、新型コロナウイルスなどの感染症の流行、ロシアによるウクライナ侵攻など多様化する生産リスク・供給リスクを考えると、若い方が安心して、成長産業として農林水産業に挑んでいただくためにも、食料の安定供給だけでなく、先ほど御案内のように保存・保管できる体制も必要になってくると考えます。 そこでお尋ねします。やまぐち農林水産業成長産業化行動計画の最終年に当たり、この五年間の活動を振り返り、どのように分析され、今後の農林水産業を取り巻く環境をどう捉え、今後、新たな計画の作成を含め、どのように農林水産業の成長産業化を進めていかれるのか、お伺いいたします。 次に、脱炭素社会の実現についてお伺いします。 二○二○年九月議会から、私はこの問題をずっと取り上げ、県の取組について聞いてきました。 国内を振り返ってみますと、全国で毎年のように大規模自然災害が繰り返され、多くの方がお亡くなりになり、そして住居を奪われる方も多く発生しています。 さらに、世界中でも異常気象が観測され、中には国の存続を脅かすような状況も起きています。 産業革命以降、化石燃料を活用して発展してきた我々にとって、地球温暖化対策は次の世代にこの地球を引き継ぐために、最も重要な課題だと言えます。 こうしたことから、具体的な目標として二○五○年カーボンニュートラルが掲げられたのです。 この気候変動対策は我々の最大の課題ではありますが、さらなる発展をもたらす新たな技術革新のチャンスでもあるのです。 今までの県の答弁や対応には、大規模自然災害で被害を受けた方々の気持ちや、脱炭素化を進めなくてはならない事業所の危機感や使命感とのギャップを感じ、残念な気持ちでいっぱいでした。 しかし、県も国の動きや社会情勢の変化、そして県議会脱炭素特別委員会の政策提言なども踏まえ、今年五月三十日に知事をトップとする山口県環境政策推進本部を立ち上げられました。 そしてこのたび、二○二六年度までの五年間を計画期間とする新たな総合計画の素案が示され、その中で活力に満ちた山口県をつくる四つの視点の中に、脱炭素化であるグリーンが示されたのは評価するところです。 また本県は、産業部門及びこれに関連する工業プロセス部門の温室効果ガスの排出割合が約七○%と非常に大きいことから、産業脱炭素化推進室を設置したことも大変評価するところです。 そして、本県経済を支えているコンビナート企業や関係自治体を中心とした山口県コンビナート連携会議を九月二日、産業戦略本部の全体会合を六日に開催し、やまぐちコンビナート炭素化構想として、コンビナートを構成する製造業のエネルギー起源のCO2について、二○五○年カーボンニュートラルの実現、そして中間的な目標として、二○三○年度に二○一八年度比三二%削減を掲げ、さらなる高みを目指すとしました。 私としては、やっとここまで来たかの思いです。 しかし、残念なのは脱炭素化に取り組む本気度がまだまだ伝わってこないことです。せっかく立ち上げた本部会議も、五月三十日に第一回を開催した以降、開催の計画も聞きません。 最大の課題であったコンビナート群が目標を掲げたのに、これらを受け、来年二月に県としての温室効果ガス削減目標を決めるとされています。 勝負の十年と言われる二○三○年まであと八年しかないのに、目標や計画づくりにあまりに時間をかけ過ぎです。県内の各事業所も、大きく何が課題かは分かっています。それを実行に移すだけの技術的支援や資金的支援などが必要なのです。それを後押しできるのは、政治の力でしかないのです。 脱炭素化の情報は日々変化しており、それを牽引する本部会議は、少なくとも三か月に一回ぐらいで開催しなければ遅れてしまいます。常にトップが興味と関心を示さない限り、物事はなかなか進まないのです。 改めて、地球温暖化が原因とされる大規模自然災害で被害を受けられた方々の気持ちや、この地球環境を守るため、事業所の存続をかけ脱炭素化を進めている事業所の危機感や使命感を踏まえ、知事として脱炭素化に取り組む思い、決意をお伺いいたします。 次に、ゼロカーボンシティの表明について一言申し上げます。 この質問はもう四回してきましたし、話題にするのは今日で五回目になります。これまで宣言した自治体は七百六十六自治体で、表明自治体総人口は約一億一千八百五十三万人にもなりました。 本県は、三市が表明したのみです。もうここまで来たら、最後の最後に宣言したほうがニュースになってよいのかもと自虐的に考えてしまうほどです。 なぜ、私がこの宣言にこだわっているのかと不思議に感じる方もいらっしゃると思います。それは、県という大きな組織がとてつもない大きな課題に、人の気持ち、行動を変え立ち向かっていくには、トップの姿勢がとにかく大事なのです。 大きな組織はタンカーと一緒です。順調なら惰性で前に進んでくれます。しかし、方向を変えなければならないとき、小さな船ならすぐに曲がってくれますが、タンカーは面かじいっぱいにかじを切っても、やっと、それもゆっくりと方向を変えてくれるしかできないのです。 県として変革しなければならないと判断したなら、トップは面かじいっぱいにかじを、それも早く切らないとだめなのです。 脱炭素化は地球全体としても大きな課題であり、本県にとっては本当に大変な課題です。だからこそ、私はこの宣言にこだわってきたのです。その思いを酌み取っていただき、早期の宣言を期待したいと思います。 最後に、県民葬の開催の意義についてお伺いいたします。 参議院議員選挙の投票日直前の七月八日、国内外に大きな衝撃が走りました。安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に、多くの聴衆の前で凶弾に倒れたのです。 改めまして、衷心より哀悼の意を表します。 平和と言われたここ日本で、この突然にして衝撃的な事件は、国内外で大きな悲しみをもたらしました。 十二日に行われた葬儀では、近しい人のみによる家族葬の形式だったのですが、多くの国民が最後のお別れにと会場周辺に集まり、車が通過した沿道では、頭を下げて祈る人や涙を流す人、安倍さんありがとうと声をかける方もいらっしゃいました。 また、凶弾に倒れられた現場をはじめ、全国各地に設けられた記帳所にも多くの方が弔意に訪れました。 そして、事件から六日後の十四日、岸田総理は、憲政史上最長の在任期間、内政、外交で大きな実績、外国首脳を含む国際社会から高い評価、選挙期間中の突然の蛮行による御逝去の四点を挙げて国葬とすることを表明し、いよいよ明日、開催されます。 国葬について、事件直後はその衝撃などから開催に対して賛成の声が多かったのですが、旧統一教会などとの関わり問題が明らかになってくるにつれ、反対の声が半数を占めるようになりました。 本県でも、十月十五日に下関市で県民葬を実施するとし、この議会に補正予算案が上程されています。 そこでお尋ねします。知事は国葬における国民の多様な意見がある中、県民葬を実施する意義をどのように考えておられるのか、知事の思い、お考えをお伺いいたします。 そして、国葬に対するある程度の基準づくりの必要性も言われ始めています。 国葬令が戦後廃止され、内閣の閣議によって決定された例外的対処として、元首相の吉田茂さんの国葬が一九六七年に実施され、亡くなられた安倍晋三元首相は二人目となります。 しかし、その根拠の説明が不十分と言われています。新聞各社が実施したアンケートでも、実施に反対が過半数を占め、国民に理解が得られているとは言い難いからです。 一方で、過去の県民葬を見たとき、佐藤栄作元首相、橋本正之元知事、岸信介元首相、安倍晋太郎元外相、田中龍夫元知事、そして今回の安倍晋三元首相と六人目になります。その方々は、いずれも政治家の方です。 実際に村岡知事も記者会見で、首相経験者や現職の国会議員が亡くなったときとする過去の県民葬の実施の基準を示し、説明されました。 他の都道府県を見ましても同様で、我が国では国葬や県民葬では、そのときのトップの判断で、政治家のみが対象として扱われるような気がします。 諸外国で国葬を実施された方を見てみますと、皆さんのよく知っている方では、自然哲学者であったアイザック・ニュートンさん、修道女のマザー・テレサさん、レゲエ歌手のボブ・マーリーさん、F1レーサーのアイルトン・セナさんなど、いろんな分野で、国にとって多大な功績のあった方が対象となっています。 私は県民葬では、同様に県出身者で世界的に政治や文化、経済などで多大な功績があった方を対象とするある程度の基準をつくり、有識者の意見を取り入れ開催判断するようなルールを、この際、つくるべきだと考えます。県民葬実施の基準づくりに対し、県の御所見をお伺いいたします。 以上で、私の代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(二木健治君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 井上議員の代表質問にお答えします。 まず、新型コロナウイルス感染症の対応についての数点のお尋ねのうち、全数届出の見直しと自宅療養者への対応についてです。 重症化リスクの高い方を守ることに重点を置くため、発生届の提出をこれまでの全数から高齢者等に限定する見直しが、本日から全国一律で導入されます。 また、発生届の見直しに合わせ、感染動向を把握するため、今後は、患者の総数を年代別に集計し、国に報告することとなります。 私は、感染者の大半が軽症・無症状であるオミクロン株の特性や、医療機関や保健所の負担軽減を考えると、このたびの見直しは妥当なものであると考えています。 こうした見直しにより、発生届の対象外となる方の自宅療養については、これまで保健所管理の下で健康観察が行われてきましたが、今後は自己管理が基本となります。 このため、発生届の対象外の方も、安心して自宅で療養していただくには、支援体制の整備が重要と考えており、このたび、自宅療養者フォローアップセンターの機能を強化し、健康相談や生活相談等に、二十四時間対応できる体制を確保したところです。 また、自宅療養者が急増した場合にもしっかりと対応できるよう、センターの相談員を増員するとともに、新たにウェブによる受付を導入したところであり、今後とも、安心して療養できる環境整備に取り組んでまいります。 次に、死亡者数の増加要因と医療体制の整備についてです。 まず、第七波での死亡者数の増加要因についてですが、感染力が非常に強いオミクロン株の特性により、感染者数が爆発的に増加したことに伴うものと考えています。 また、死亡者のうち、約九割の方は基礎疾患を有する七十歳以上の高齢者であり、高熱や脱水等をきっかけとして全身症状が悪化したケースが多いと分析しています。 次に、医療体制の整備についてですが、症状に応じて適切かつ速やかに治療を受けられるよう、医療機関の御協力により、現在、入院病床として六百八十床を確保するなど、受入れ体制の拡充を図ったところです。 また、現在主流のオミクロン株による感染は、自宅療養者が約九割を占めていることから、療養期間中の症状急変時に備え、自宅療養支援体制の充実が重要と考えています。 このため、自宅療養者フォローアップセンターには医師や看護師を配置し、健康上の不安等の問合せに、二十四時間対応できる体制を整備したところです。 また、症状が悪化した際には、速やかに身近な医療機関を受診できるよう、地元医師会等の御協力の下、現在、三百五十九の医療機関と四百五十三の薬局において、診療や配薬等を行う体制を整備しており、今後、さらなる拡充を図ってまいります。 私は、引き続き、医師会等関係機関と連携し、医療提供体制や自宅療養者の支援体制の充実強化に取り組んでまいります。 次に、ワクチン接種についてです。 ワクチン接種は、感染対策を進める上で極めて重要であることから、これまで、市町や医療機関等と緊密に連携し、全国トップクラスのスピードで接種の促進を図ってきたところです。 こうした中、今般、新たに承認されたオミクロン株対応ワクチンは、重症化予防はもとより、感染や発症予防に高い効果が期待されており、本県には、十月上旬までに約三十三万回分が、十月半ば以降は対象者全員分のワクチンが、順次供給される見込みとなっています。 私は、インフルエンザとの同時流行への懸念や、冬の感染拡大期に備えるためには、できるだけ多くの方に速やかにこのワクチンを接種していただきたいと考えております。 このため、接種の促進に当たっては、若年者の方の接種率が他の年代に比べて低いことから、仕事帰り等に気軽に接種していただけるよう、金曜日の夜間や休日に県広域集団接種会場を開設するなど、ライフスタイルに合わせた接種機会の確保に取り組んでまいります。 また、若年層の方にワクチン接種による効果や安全性についての理解が一層進むよう、新たに若者向けの広報動画等を作成し、県や市町のホームページ、SNSを通じて効果的な情報発信に努めてまいります。 さらに、オミクロン株対応ワクチンは、現在流行しているBA・5を含め、オミクロン株全般に効果があることから、接種時期を迎えた方は速やかに接種をしていただくよう、積極的に呼びかけてまいります。 私は、引き続き、市町や医療機関等との連携を密にし、新型コロナワクチン接種の促進に取り組んでまいります。 次に、人口減少・少子化への対応についてのお尋ねにお答えします。 本県では、高齢化の進展により死亡者数が高止まりする一方で、出生数は年々減少するとともに、若年層を中心に進学や就職による県外流出が続いており、人口減少が加速しています。 このため、県ではこれまで、市町をはじめ企業や関係団体と一体となって、若い世代が結婚の希望をかなえ、安心して子供を産み育てることができる環境づくりを進めるとともに、大学リーグやまぐち等と連携しながら、若者の県内定着の促進を図ってきました。 しかしながら、出産の大宗を占める二十五歳から三十九歳までの女性人口は、今後さらに減少していくことが見込まれており、出生数の低下が続くものと想定されます。 これに歯止めをかけるため、やまぐち未来維新プランの素案では、重点的に施策を進めるプロジェクトの一つに、結婚、妊娠・出産、子育て応援を掲げ、やまぐち結婚応縁センターでのマッチング体制の強化等を進めるとともに、社会全体で子育てを応援する取組をさらに充実することとしています。 また、コロナ禍を契機に時間や場所にとらわれない働き方が普及し、大都市圏に住む若者を中心に地方への関心が高まっています。 今後は、こうした方々を一人でも多く呼び込んでいけるよう、デジタル関連企業やサテライトオフィス等の誘致を進め、就業先を確保するとともに、地方創生テレワークとワーケーションを一体的に推進するなど、若者や子育て世代の移住促進に向けた施策の充実強化に努めていきます。 人口減少が進む中にあっては、こうした取組と併せて、地域や産業の活力を維持・創出し、持続可能な社会をつくっていく取組も重要となります。 このため、人口減少が著しい中山間地域において、地域による支え合いの仕組みづくりを行う、やまぐち元気生活圏づくりについて、デジタル技術や特定地域づくり事業協同組合制度など、新しい技術や手法も活用しながら、取組の加速化を図ります。 また、県外にいながらも本県と継続的に関わり、その知識や経験を生かして、地域の活性化に貢献いただける関係人口の創出・拡大に向け、山口つながる案内所を拠点に、情報発信や登録の促進、フォローアップ等の取組を強化していきます。 将来の労働力不足への対応については、働きたい女性と女性の雇用に積極的な企業とのマッチングの強化や、働きやすい職場環境づくりの促進等により、女性の就業率を引き上げるとともに、多様な就業機会の確保・提供や職業訓練の充実等により、高齢者・障害者の就業促進を図ります。 さらに、やまぐちDX推進拠点「Y─BASE」や、山口県産業技術センターに設置したIoTビジネス創出支援拠点を核に、産業分野はもとより、介護やインフラメンテナンスなど県政のあらゆる分野で生産性の向上や、業務の効率化・省力化につながるDXの取組を推進していきます。 私は、あらゆる主体と連携しながら、出生率の向上と社会減の縮減等に取り組むとともに、人口減少下にあっても、地域の活性化や産業の持続的な成長につながる取組を積極的に進め、安心で希望と活力に満ちた山口県をつくってまいります。 次に、県の農林水産業の成長産業化についてのお尋ねにお答えします。 農林水産業は、県民の健康の維持や健やかな成長に欠かせない農林水産物の安定供給とともに、中山間地域を中心とした地域経済を支えており、さらに、県土や自然環境の保全、水源涵養や土砂災害防止等といった多面的な機能を有しています。 このため、私は、平成三十年に策定した、やまぐち維新プランに強い農林水産業育成プロジェクトを位置づけ、担い手の減少・高齢化が進む中にあっても、強い農林水産業を育成できるよう、中核経営体を中心とした取組を展開してきたところです。 また、分野別計画である、やまぐち農林水産業成長産業化行動計画についても、やまぐち維新プランに合わせ、中核経営体を核とした山口県農林水産業の成長産業化をキーワードとして、同年に策定しています。 これら両計画の農林水産分野の指標については、お示しの中核経営体数や新規就業者数、法人等の経営に参画した女性数などは順調に進捗しています。 一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響による外食需要の落ち込み等により、酒米生産量や大都市圏への販路拡大などは計画を下回っている状況であり、今後は、商談のオンライン化と対面販売を併用した販売戦略の強化が必要と考えています。 また、担い手の減少・高齢化をはじめ、気候変動や国際情勢の変化などの生産リスクの増加、漁獲量の減少など、本県の農林水産業は、依然として様々な課題に直面しています。 このため、私は、今議会でお示ししている、やまぐち未来維新プランの素案において、重点的に政策を進める維新プロジェクトに、引き続き、強い農林水産業育成プロジェクトを位置づけています。 このプロジェクトでは、農林水産業の担い手の安定的な確保を図るとともに、生産性の向上や大都市圏等への需要拡大に資するデジタル技術の普及・定着を進めることで、強い農林水産業を育成することとしています。 具体的には、来年四月に供用開始となる、農林業の知と技の拠点等を核として、全国トップ水準の支援策による新規就業者の確保・定着や、UJIターン者や参入企業に対する技術習得支援などにより、地域を支える多様な担い手を確保します。 また、県産農林水産物の大都市圏等への戦略的な販路拡大に向けて、ブランディング支援による対象品目の拡大や、ECサイトの機能拡充、SNSの活用等による飲食店や幅広い消費者層への販路開拓を図ります。 さらに、スマート農林水産業の開発・普及や、デジタル技術を活用した水産資源の管理強化と栽培漁業の一体的な推進等により、県産農林水産物の供給体制を強化します。 なお、農林水産業の分野別計画については、やまぐち未来維新プランの策定に合わせ、検討を進めることとなります。 私は、これまでの取組の成果や課題を踏まえ、JAや県漁協等の関係団体と連携しながら、強い農林水産業の育成にしっかりと取り組み、成長産業化を進めてまいります。 次に、脱炭素社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 温室効果ガス排出量の増加による地球温暖化の進行は、猛暑や集中豪雨をもたらすなど、県民生活にも大きな影響を及ぼしています。 また、脱炭素化が世界的な潮流となる中、国は、高い削減目標を掲げ、社会経済全体の大規模な変革に取り組むこととしており、産業界においては、従来の省エネの取組だけでなく、エネルギーの需給構造等の抜本的な変革が求められています。 私は、こうした国の動きや社会情勢の変化に的確に呼応し、脱炭素化の取組を加速することにより、安心で安全な県民生活の確保と本県産業力の強化という大きな課題に取り組んでいく必要があると考えています。 このため、やまぐち未来維新プランにおける四つの視点の一つにグリーンを掲げ、このたび取りまとめた素案でも、県政の各分野で脱炭素化に向けた取組を総合的かつ計画的に進めていくこととしています。 とりわけ、産業部門・工業プロセス部門の温室効果ガス排出割合が高い本県では、産業分野での取組が極めて重要であることから、まずは、本県コンビナートの将来像や目標を示す、やまぐちコンビナート炭素化構想を先行して策定し、このたび最終案を取りまとめたところです。 また、この構想を核として、産業分野における取組を促進するための効果的な施策やロードマップを示す、やまぐち産業炭素化戦略の本年度中の策定に向けて、山口県環境政策推進本部内に設置した専門部会等で集中的な議論を進めています。 さらに、この戦略と並行して、現在進めている地球温暖化対策実行計画では、産業分野を含む県政各分野における温室効果ガス排出量の削減目標の再設定と、これを達成するための施策や気候変動の影響に対する適応策などの見直しを行うこととしています。 実行計画の改定に当たっては、産学官が連携し、共通の目標に向けた施策の具体化が必要であり、事業者や市町等へのヒアリングや、環境審議会等での議論を通じて検討を進めるとともに、戦略と整合を図りながら、本年十一月を目途に素案を取りまとめることとしています。 また、施策の実現に向けては、国の支援が不可欠であることから、私自らが先頭に立ち、国が検討している官民投資等を本県に呼び込むことができるよう、政府要望等を通じて財政支援や技術支援の要望を行ってまいります。 なお、お示しのゼロカーボンシティの表明については、脱炭素化に係る企業や県民の理解と積極的な参加を得られるような取組を進めながら、実行計画や戦略などの検討状況を踏まえ、慎重に判断したいと考えています。 私は、今後とも、県民、関係団体、事業者、市町と緊密に連携し、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。 次に、県民葬開催の意義についてのお尋ねにお答えします。 去る七月八日、安倍晋三元内閣総理大臣が、民主主義の根幹たる参議院議員選挙の街頭演説中に銃撃され、御逝去されたことは、私自身も大変衝撃を受けたところであり、改めて心から御冥福をお祈り申し上げます。 故安倍元総理は、卓越した政治手腕とリーダーシップを発揮され、憲政史上最長の八年八か月の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、アベノミクスによるデフレ脱却や日本経済の再生、国際社会における日本の地位向上などに向け、我が国を力強く導かれ、偉大なる御功績を残されました。 また、地方の元気なくして日本の再生なしとの信念の下、人口減少に歯止めをかけ、地域の活性化を目指す地方創生の実現に向けた取組を強力に推進されるとともに、地元山口県の取組にも大変な後押しを頂くなど、県政の発展にも格別の御尽力を賜りました。 突然の御逝去から三日後の七月十一日、県庁及び下関市、長門市に設置した記帳所には、七月十八日までの八日間に一万三千八百人を超える方が記帳に来られるなど、大変多くの県民の皆様の弔意が寄せられたところです。 こうした故安倍元総理のこれまでの数々の御功績や、多くの県民の皆様から哀悼の意が寄せられている状況を踏まえ、最も深く追悼の意を表する形として県民葬を十月十五日に執り行うこととし、今回の補正予算に所要の経費を計上いたしました。 明日開催される故安倍元総理の国葬をめぐって、国民の間に様々な御意見があることは私も認識していますが、本県においては、これまでも内閣総理大臣や知事経験者、現職の国会議員など、国政や県政の推進に多大な御貢献をされ、御功績を残された方々を対象に県民葬を執り行ってまいりました。 こうした過去の開催例に照らしても、私は、憲政史上最長の長きにわたって内閣総理大臣の重責を務められ、我が国はもとより、県政の推進についても大変なお力添えを頂いた故安倍元総理の県民葬を執り行うことが適当であると考えています。 また、県民葬の実施については、これまでの開催例も踏まえ、諸般の事情を総合的に勘案し、その都度、県において判断し、決定する必要があるものであり、その基準をあらかじめ定めておくことは困難であると考えています。 私は、故安倍元総理の御遺徳をしのび、その多大なる御貢献と御功績をたたえ、謹んで深く追悼の意を表するにふさわしい県民葬となるよう、関係者とともに準備を進めるとともに、その趣旨を県民の皆様にもよく御理解いただけるよう、今議会の審議の場などを通じ丁寧な説明に努めてまいります。 ○副議長(二木健治君) これをもって代表質問を終わります。   ─────────────    休会について ○副議長(二木健治君) 九月二十七日は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(二木健治君) 御異議なしと認めます。よって、九月二十七日は休会することに決定いたしました。   ───────────── ○副議長(二木健治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。    午後一時五十三分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   二   木   健   治                   会議録署名議員   高   井   智   子                   会議録署名議員   小 田 村   克   彦...